遺留分減殺請求ができるかどうかの判断や請求額の計算ってどうやるの?

遺留分を侵害する遺贈や以下①ないし③の生前贈与等があると、これらの遺贈や生前贈与等を受けた者に対して、遺留分権者(兄弟姉妹を除く法定相続人)から、遺贈や生前贈与等の一部又は全部を失効させる遺留分減殺請求(民法1031条)がされる場合があります。

①相続開始前1年間の贈与
②当事者が遺留分権者に損害を与えることを知って行った贈与
③婚姻・養子縁組のために、あるいは生計の資本等として行った相続人への贈与(特別受益)

 

このとき、具体的に遺留分権者の遺留分が侵害されているのかどうか、遺留分権者が遺留分減殺請求ができる金額がいくらになるかは、以下の段階を経て判断されることになります。

 

1.遺留分権利者全員の「全体的遺留分」の割合

直系尊属(故人の親や祖父母など)のみが相続人の場合は、全体で1/3

それ以外の場合は、全体で1/2

 

2.「具体的遺留分」の割合

遺留分権利者が複数いる場合、(全体的遺留分)☓(法定相続分)により、各人の具体的遺留分を計算する。

 

3.具体的遺留分の「額」の計算

(具体的遺留分の額) = 「基礎財産」 ×(具体的遺留分)

「基礎財産」 =相続財産 + 贈与財産(※)− 債務

(※)贈与財産には、上記①ないし③の贈与の対象となった財産が含まれる。

 

4.各遺留分権者の「侵害額」の計算

(侵害額)=(具体的遺留分の額)-(相続財産額+遺贈財産額-債務額)-(特別受益額)

 

このようにして、遺留分侵害の有無の判定(遺留分減殺請求の可否)、侵害額の計算ができることになりますが、実際には、相続財産の範囲、評価額の問題や生前贈与が特別受益に該当するか否かなどについて専門的な判断を要するため容易に計算できないこと、正確な金額は全容が確定してからしか計算できないこと、に注意が必要です。

したがって、遺留分侵害の有無の判断や侵害額の概算については、素人判断を避け、必ず弁護士に相談するようにして下さい。

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【参考条文(民法)】

第1031条(遺贈又は贈与の減殺請求) 遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。

第1030条 贈与は、相続開始前の1年間にしたものに限り、前条の規定によ

ってその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前の日より前にしたものについても、同様とする。

第1029条(遺留分の算定) 遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して、これを算定する。
2 条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。

 

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