3つ前の記事の続きです。
相続分の譲渡をする場合の登記関係について一言ふれておきます。
以下は一般的な考え方によるものです。
まず、相続人に相続分の譲渡をした場合について説明します。
1)相続分の譲渡前に、法定相続分による相続登記が行われていた場合
・相続分の譲渡者から譲受人に対する持分移転の登記をすることになります。
その後、遺産分割協議によってその不動産の帰属が決まった場合には、遺産分割を原因として取得者に対する持分移転登記をすることになります。
・相続分の譲渡による持分移転の登記をしないうちに、遺産分割協議が成立した場合であっても、相続分の譲渡による持分移転の登記、遺産分割による持分移転登記を順次することになります。
~どちらのケースでも同じことになります。
2)相続分の譲渡前に、法定相続分による相続登記が行われていない場合
・相続分譲渡後の持分で直接被相続人からの相続登記をすることができます。その後、遺産分割協議によってその不動産の帰属が決まった場合には、遺産分割を原因として取得者に対する持分移転登記をすることになります。
・相続登記をしないうちに、特定の相続人にその不動産を帰属させる内容の遺産分割協議が成立した場合には、直接被相続人から遺産分割による取得者に対する単独相続登記(相続を原因とする所有権移転登記)ができ、1回ですませることができます。
~ケースによって結論が異なります。
次に、第三者に相続分の譲渡をした場合について説明します。
この場合には、どのようなケースでも、法定相続分による相続登記、相続分の譲渡による第三者に対する持分移転登記、遺産分割による持分移転登記を順次行うことになります。
以上のとおり、ケースによって必要となる登記の手続きが変わってくることが分かってもらえたかと思います。
次回に続きます。