遺産分割協議がうまくいくケースとうまくいかないケースの3つの違い

ある人が亡くなった後、四十九日、お盆、お正月、一回忌などに相続人が一堂に会し、遺産分割について話し合いをするケースがよくあります。相続人がそれぞれ遠方に住んでおり、集まりづらい場合には、このようになることが多いでしょう。
そのため、お盆は遺産分割についてもめ事が発生しやすい時期でもあるということができます。

さて、今日の本題ですが、遺産分割が円滑に進むケースと進まないケースの差はなんでしょうか?
大きく分けて3点に整理されるかと思います。

 

1.まず、前提として、遺産について情報の共有ができているかどうかという点が重要だといえるでしょう。

個人と同居していた人や、個人を最後数年に介護していた人など、遺産について情報を握っている人が積極的に他の相続人に情報、資料を提供しないと、他の相続人は疑心暗鬼になってしまいます。
このときに、あわよくば自分の取り分を増やしたいなどと下心を持って、情報開示を渋ると、後に(わざと)開示されていない遺産があることが分かったときに、他の相続人との関係が決定的に破綻し、紛争状態になってしまうおそれがあります。

2.次に、相続人が法定相続分以上の取り分を主張するかしないか、という点が重要です。もちろん、主張しない方が、話がまとまりやすくなります。

弁護士としては、仮に故人と同居し、最後数年故人の介護をしていたとしても、法定相続分以上の寄与分を頑固に主張し続けるのはあまりおすすめできないケースが多いように思います。
また、故人から相続人への生前贈与(特別受益)についても、細かいことは言い出したら切りがないため、一切考慮しないとするか、考慮するとしても確実に贈与の証拠がある相当額の贈与に限り考慮する、ことにするとよいかと思います。

3.あとは、実際の遺産の分割方法について折り合えるかどうか、という点です。

遺産に金融資産が多く含まれていれば通常は調整が可能なのですが、遺産がほとんど不動産や同族会社の株式などで構成されている場合が問題です(売却して換金することができる場合は除きます。)。これらの遺産は、相続人ら全員の共有とするより、一部の相続人に集中させることが適切であることが多いでしょう。
そして、一部の相続人に相続させる場合には、その相続人が自分の法定相続分を超えて取得した分だけ、他の相続人に金銭等を支払うことにしなければ、遺産分割は成立しない場合が多くなります。その結果、現実問題としてその金銭等が用意できるのか??という問題に行き着くことになるのです。
この問題は、被相続人が生前に対処しておいてくれることである程度解消される場合もありますが、限界があり、なかなか解決が難しい問題となります。

 

こうやってみてくると、3.の点はともかく、1.2.の点についてみると、相続人らの気持ち、心がけ、姿勢次第で遺産分割協議の進展が大きく変わってくることが分かってもらえるかと思います。
そのため、相続人は、自分の主張が裁判所でどの程度とおる可能性があるのか、自分の心情、主張を実現するためにどの程度の時間、労力、費用をかけるべきなのか、について冷静に判断をして、発言、行動する必要があるのです。

相続が発生してどうやら遺産分割協議が必要になりそうだとなったら、お気軽に当事務所にご相談下さい!

 

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