預金の相続についても民法が改正されています

さて、相続分野の民法改正法が成立したことは先日書いたところです。

今回の改正では、預貯金の相続にも変更が出ております。

 

1.まず、遺言執行者の権限として、遺言の対象となっている預貯金について遺言を執行するために、原則として、預貯金の払い戻しのみならず、解約の申入れをすることができるものとされました(改正民法1014条2項)。

改正前は民法上、預貯金について遺言執行者にどこまでの権限があるのか不明確とされ、解約等の権限については否定されることがあったため、実務上は、遺言書にこの点の権限を執行者に与える条項を盛り込んで対応していたところです。

 

2.次に、預貯金債権について、遺産分割前に各相続人が単独で預金の一部について払戻しを請求する権利を認める条項を新設しました。

民法第909条の2《遺産の分割前に置ける預貯金債権の行使》

 各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。

※今回の民法改正の施行日前に発生した相続に関して、施行日後に預貯金債権が行使されるときにも、改正後のこの条項が適用されることになっております(改正付則5条)。

金融機関では以前から、預貯金債権について共同相続人が相続手続きをするためには、基本的に共同相続人らが(遺産分割協議を行って)共同して相続手続きをする必要があるとの取扱いをしており、しかも最近の最高裁判決によって、預貯金債権が遺産分割の対象となるものと判断されていたため、相続後速やかに相続人の一部が被相続人の葬儀費用等のために預金の払戻しをしようとしてもできない、という場面が生じていたことに対応するための改正です。

 

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